廃除とは、相続欠格のように相続人資格を当然に否定するほどの重大な事由はないが、被相続人からみて、その者に相続させたくないと考えるような非行があり、かつ被相続人がその者に相続させることを欲しない場合に、被相続人の請求に基づいて家庭裁判所が審判または調停によって、相続権を剥奪する制度です。
被相続人に対する虐待または重大な侮辱と、その他の著しい非行があることが廃除原因です。
例えば、父親をいつも「馬鹿おやじ」と呼び、ときには襟首をとらえて引き回し、病気中も介抱しない息子の行為があった場合など、父母に対する暴行・浪費癖・遊興・財産の無断売却といったもののうち、複数の行為をしている場合に著しい非行を認定する裁判例が多数あります。
被相続人本人が家庭裁判所に「推定相続人廃除申立書」を提出して、調停を申立てます。 遺言によって遺留分を有する推定相続人を廃除する意思を表示した場合には、遺言執行者が、遺言の効力が生じた後に遅滞なく家庭裁判所に廃除の請求をしなければならなりません。
被廃除者の相続権を剥奪することになります。